昨日も今日も、あみ茸狙いです。
あみ茸、一時は大不作が懸念されました。
9月上旬に一瞬出てすぐに終了しました。
小口のお客様、数件しか出荷できず、大口のお客様、全く出荷できず。
大口のお客様には、
「数を減らせばお届けできるかも・・・」
と、お知らせしていましたが、
なんとかほぼ、(元の数量で)出荷できました。
全く雨が降らない割には、思ったよりは出てくれました。
が、まだまだ数十件、お客様お待ちです。
私も(松茸が忙しくなるまでは)毎日山へ入ります。
本当は、ハナイグチが豊作なので、そちらを狙った方が簡単に採れますが、あみ茸のほうがお待ちのお客様が断然多いため、あみ茸を狙います。
昨日は、ひと山で2400g採りました。
きのこが乾いて「白い」ため、晴れの日は、木漏れ日がチカチカして見えづらく、探すのに苦労します。
かなり(きのこの)近くまで寄らなければ見えません。
昨年であれば、もうあみ茸、「探す」必要がありませんでした。
1カ所、群生しているのを見つければ、そこからあちこちに群生が見えます。
もう座りながら採る感じです。
今年は・・・とにかく歩く歩く!
松の木を1本1本、丹念に木の周りを、目を凝らして探します。
山にある松の木全てです。
沢沿いに始まり、ヨコ横しながらジグザグに上がっていくイメージ。
「横」が、500mくらいでしょうか。
それも急いではいけません。
ゆっくり、前方、後方、右、左、周りにある松の木の周辺も見渡しながら、見落としが無いように・・・
100歳のお年寄りが歩くスピードです。
50m歩いては2本。100m歩いては1本。
50m歩いて運良く群生が見つかり10本・・・
という感じです。
昨日は2400g採るのに3時間かかりました。
昨年なら、おそらく30分で採れます。
今年は全く雨が降らず、きのこが乾いて軽いため、よけい大変です。
あみ茸、傘がスポンジ状で水分をよく吸うため、濡れている物と乾いている物では、おそらく(重さが)倍も違うのでは?
今年のあみ茸は「お得」です。
さて今日は同じ山。
昨日も採ったが、見落としがあれば少しは採れるか?
あれ?
山に入るなり大きめ1本。
少し歩くと大きめ3本。
んんっ?
どんだけ見落としてるん?
おそらく今日は曇っているためきのこが見やすいのと、昨日より成長していて見落としたものが見やすくなったのと。
途中で踏んづけてしまったきのこ。
見てみると・・・、
クロカワ!
勿体ない!
虫も喰わない、良いものだったので尚更悔しい。
まわりも探しましたが2本目は見つからず。
こうなると、あみ茸を止めてクロカワを探したくなりますが、我慢我慢。
クロカワも全然出荷できていませんが、まだこの先、可能性があります。
あみ茸は、おそらく今出ている物がラストチャンスです。
しばらくして、ふと、何か目に入った気が・・・
これ、わかりますか?
近づくと、
まだ分りません?
枯れ葉をどけると・・・、
クロカワでした!
この子は必ず落ち葉の下に隠れています。
かなり大きなヒラキになるまで、まず見えません。
松茸、本しめじも、このように落ち葉の下、地中に隠れています。
なので、山の中でも正確に場所を覚えていないと、採れません。
言葉にすると簡単ですが、実際に山の中、道路も道しるべも、ありません。
どこもかしこも、似たような光景です。
この松の木の下、と憶えていても、何百とある松のうちのどの松だったか・・・
難しいでしょう?
皆、大きなヒラキになって地表に現われるまで、残しておきません。
「つぼみ」のうちに採ってしまいます。
時季外れ、誰にも見つからなかった松茸(本しめじ)だけが、ヒラキになれます。
このように潜って生えるため、ほうき茸、あみ茸と違い、「しっとり」してます。
濡れているわけではなく、地中にあるため、きのこの水分が逃げないのでしょう。
要は、山は乾いているのに、クロカワの状態は「丁度良い」ということです。
松茸、本しめじにも言えます。
あくまで「状態」です。
そもそも雨足りなすぎて今年は出てきませんが・・・
上から。
これなら分るんですが・・・
この大きさだとおそらく・・・
やはり虫食いでした。
「柄」の部分がスカスカ。
クロカワの虫喰い率、非常に高いです。
採れるクロカワの8〜9割は虫食いですね。
柄の部分を指でつまんで柔らかい物は虫食いです。
が、ご安心を。
当店の出荷するクロカワ、柄の部分を強く握っても、硬く、へこまないもののみ、厳選してお届けしております。
まあ、そこまで硬いものでも,入っている物も中にはありますが、これ以上は切らなければ、分りません。
「虫喰いだらけ」というのだけは、まず間違いなく防げます。
あと、傘の頭ですね。
押してみて柔らかい物はだいたい虫食いです。
ほうき茸ピンクもポツポツ出てました。
こちらも。
良いものは小さい物ばかり。
大きめの物は、雨が降らなさすぎて、乾ききってます。
ほうきの先がピンクでは無く茶色や黒に変色してます。
それでも虫の喰わない良いものもあるんですが・・・
雨が降ってくれないと、この状態は続きます。
ほうき茸、最近は良いものがほとんど採れていません。
あみ茸も、乾いて白いです。
乾いているのに無理に成長したからか、傘表面がひび割れている物も見受けられます。
一瞬、違うきのこに見えます。
あみ茸の場合は、濡れて重たいよりは乾いている方が全然良いので、まあいいんですが・・・
採る方としては、本数にしては目方がかからず、面白くないです。
濡れたあみ茸、ハナイグチと一緒でヌルヌルベタベタになり、籠の中に入れると押しつぶされ、ヌルヌルが傘の裏について黒くなり・・・
非常に格好悪くなります。
採っている時は綺麗でも、お客様へ届く頃には・・・
「古いきのこが届いた」
と、クレームが来ます。
が、・・・ある程度は、しようが無いんです。
毎日毎日、雨が続くような年でないと、あみ茸、豊作になりません。
初茸もそうです。
案の定、今年は不作です。
昨日は時間が無く、見られなかった奥の方に行くと・・・
あるある!
が、もう2時。
せっかく密集しているポイントにたどり着いたのに、急いで帰らなければ今日の出荷に間に合いません。
泣く泣く山を後にしました。
本日の収穫。
じゃ〜ん!
4100g!!
時間無い割には頑張りました!
速攻で荷造りします。
ヤマト運輸の集荷は4時が最終なので大急ぎです。
ぎりぎり間に合いました。
ただいま、夜9時50分。
雨が!待望の雨が!!
しとしと降り出しました!
今回こそはかなり降ってくれないと困ります。
なんなら2〜3日雨でもいいくらい。
これで、松茸、香茸、本しめじ・・・と、始まってくれれば、
「至上最悪の大不作」は免れるかもしれません。
あわよくば、初茸も再度始まって欲しい。
ご予約いただいている皆様も、一緒に祈ってくれれば、天に通じるか?
そうこうしているうちに、雨やんでしまいました・・・おいっ!
大雨が降れば、今出ているあみ茸は・・・全滅です。
虫が喰ったり、腐ったりします。
そのかわり、雨のおかげで新しく始まってくれれば、まだ数日採れます。
土の中にある菌糸が、まだ残っていると、雨で広がって、新たにきのこを出現させます。
すでに乾燥により、菌糸が死んでる状態だと・・・残念ですが終了です。
これからのきのこにはどうしたって雨が必要なので、降ってくれないことにはどうにもなりません。
あみ茸の「種」がまだ残っていることを願います。
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